Ai Animal Hospital
ホーム 犬のページ 皮膚病の話 その12 皮膚病の治し方1
ホーム
  病院のページ
  犬のページ
    皮膚病の話   
     その1      
     その2        
     その3        
     その4        
     その5(症例1治療前)
     その6(症例1治療後)
     その7(症例2治療前)
     その8(症例2治療後)
     その9(症例3治療前)
     その10(症例3治療後)
     その11(症例スライドショー)
     その12 皮膚病の治し方1
     その13 皮膚病の治し方2
    外耳炎の話   
    肥満細胞腫 
    てんかん  
    食餌の話  
  猫のページ  
    猫下部尿路疾患  
  
  
  スタッフ募集   
  
 
 
 

皮膚病の話

皮膚病の治し方1

<戻る   次へ>

ここまで読み進んでいただきましてありがとうございます。
ここから先は、本格的な治療の内容を順次説明していきたいと思います。

話の内容は、家庭で出来る範囲の事柄に絞ったつもりです。
病院に来られればもっと詳しい評価をしてゆくところですが、 遠方の方も多いことと思いますので、とりあえずこのくらいは試してみてはいかがでしょうか?と言う範囲にしてみました。
少しでも、明るい兆しが見られれば幸いです。


※《注意》
くどいようですが、基本は食餌を手作りにして頂く必要があります。
理由は後ほど詳しく出てきます。
手作り食には馴染めないという方は、時間の無駄になります。
大変申し訳ないですが他をあたってください。



家庭で行っておくべき基本的な事柄



まず当たり前の事は、最初にこなしておいて頂きたいと思います。
その当たり前の事とは、次の事柄です。

1. ノミの予防 
2. ダニ対策
3. 疥癬対策
4. 毛虫対策


ノミ予防

まずノミの予防です。一般的によくある誤解ですが、「ノミなんか付いてないから予防の必要なんかない」と思っている方が、案外と多いのです。
これはとんでもない間違いです。
今どきワンちゃんの身体の上にノミが付いてるなんて事はほとんどないのです。 それでもノミ刺症やノミアレルギーは起るのです。

誤解の元は、ノミがワンちゃんの身体の上だけで生活をしているという誤った思い込みからきています。 ノミはその辺の草むらで生活をしています。近くを通った動物の身体に飛びついて吸血を済ませると容易に動物の身体から離れていきます。
ですから、ほとんどの場合は散歩の途中でノミに刺されて帰って来ることになるのです。

ほんの少しでも散歩に出る場合には、必ずノミの駆除を行ってかゆみの原因が100%ノミではないという状況を作る必要があります。

後々には高額の検査が待ち受けていますので、ここで手を抜いてあとからやっぱりノミのアレルギーでしたなんて言う事になって、 無駄にお金を捨てないためにもここは手堅く駆除をしておいてください。

使用するお薬は、フロントライン、アドボケート、レボリューションなど、病院で渡されるしっかりと駆除のできる製品を使ってください。
ケチって市販の薬を使っていると結局やり直しになりますし、場合によっては先の検査まで無駄になってしまいますから、かかりつけの先生に信頼できる製品をもらって使用してください。
後の治療を考えると、私はチュアブルタイプやビスケットタイプの駆除薬はお勧めしていません。添加物の作用で痒みの出てしまうワンちゃんたちが多いからです。添加物に敏感なワンちゃんにとっては、この痒みはかなり厄介な問題になってきますから、避けるようにしています。


ダニ対策

次にダニ対策ですが、「うちの子はスポットしてるから大丈夫だわ」とか思っていたらこれも当てが外れてしまうかもしれません。

ここでいうダニと言うのは、マダニだけを考えているのではなく、ツメダニ、サシダニ、イエダニの他、草むらにいるダニまでを含んでいます。
これらのダニをすべてやっつけるには、フロントラインのスプレータイプを使うのが最も良いでしょう。

塗布する場所は、主に身体の下側(胸側)・後ろ側(お尻側)です。 これによって、草むらに入って虫にかまれる事も、寝床でダニの痒みに悩まされる事も、また家の中のダニの数自体も激減していきます。

すでにコナヒョウヒダニやヤケヒョウヒダニのアレルギー検査が陽性と診断されている場合にも是非試しておくべき処置だと思います。


疥癬

次は疥癬対策です。疥癬とは一般の方々にはあまり馴染みのない病気ですが、犬穿孔ヒゼンダニというダ二が皮膚の中にトンネルを 作りながら住み着いてしまうために起こる強烈にかゆい病気です。
疥癬はかつて検査によって確認し治療を行えば良いとされてきました。 しかし、検出率は20%と低く多くの場合検出できずに治療が遅れる傾向にありました。

20%の検出率ということで、たくさんの材料を用いて検査すれば良いという意見もありましたが、 今では通常型と角化型という病態に分かれ、その割合が80%と20%に分かれ、角化型以外では検出が不可能であることがわかってきました。
そして検出不可能な症例を排除する目的で試験的治療を行うのが良いとされるようになって来ました。

先に出てきたレボリューションというフィラリアの予防薬が効能外の効果ではあるのですが、 犬穿孔ヒゼンダニの駆除に非常に効果的であるために、フィラリアの予防の一環として疥癬の対策ができるようになってきました。

私の病院では日ごろのフィラリア対策は錠剤を使っていますが、かゆみで悩まされているワンちゃんには、年に何回かはレボリューションを使用していただいています。

これによって、疥癬の可能性はほぼ回避できますので安心して先に進めていけます。


毛虫対策

さて、最後に毛虫対策(正確には毛虫の糞対策)ですが、おそらくこんな話は今まで誰からも聞いたことは無いだろうと思います。
「よもや道端の毛虫の糞がこんなことをするとは・・・・」といったところです。

実際に皮膚病学の専門書やセミナーでもこんなことはまったく話にも出てきません。 でも、意味不明のかゆみに悩まされている飼い主様には是非ここに気を使っておいて頂きたいものです。

実際の症状としては、胸からお腹の辺りを窮屈そうな姿勢で後ろ足で掻きます。
また、直接触れる肢端、特に指間(肉球間)をかゆそうにします。

そのような様子があったら、とりあえず散歩コースの路上に毛虫の糞が落ちていないかをよーく見てください。 もし、落ちていれば、ワンちゃんがその上を歩かないように遠回りをしてください。

それ以外に、毛虫の糞の対策方法はありませんので、面倒でも回り道をしてください。

もし、雨の日に散歩をお休みするとかゆみが減るような気がするという人は特に気をつけてください。

毛虫や毛虫の糞は直接触れた場合、多くの人が同じようにかゆい、あるいは痛いと感じることがあるようです。


さて上に書いてきた4つの事柄は、とりあえず家で管理することで避けることのできるかゆみの原因です。 言い換えると病院では、お話だけを聞いて済ませてしまうところですので、十分にケアーをしておいてほしいところです。



これらのことが、カバーできたら、いよいよ病院での検査です。



病院の検査



当院で行う初期の検査は、次の3つです。

1. 抜毛KOH検査
2. 掻爬KOH検査
3. セロテープ検査

最初の抜毛検査の目的は糸状菌の検出です。
また、角栓や毛包の生育ステージ、クランピングの有無なども確認します。

次の掻爬KOH検査の目的は毛包虫の検出です。
まれには小穿孔ヒゼンダニも見つかります。

セロテープ検査は、細菌やマラセチアの有無を診ます。
また、角質の状態を確認することで、ワンちゃんの皮膚の状態がきめ細かく評価できます。

細菌やマラセチアの存在に関しては、他の先生方と評価の方法がまったく異なります。
くわしくは、脂質に関する治療のところで述べる事にしましょう。

とりあえず、糸状菌(カビ)や毛包虫の存在が否定されたら、次には皮膚の状態の評価を行いますが、ここは少し飛ばして、皮膚のコンディションを整えるための方法を説明するようにしましょう。




肌荒れの治療


次の項目としてアレルギーではなく皮膚のコンディションという項目を持ってきたのは、ここを抑えておかなければアレルギーの評価など到底無理だと考えているからです。

たとえて言うと、家事で洗い物をしすぎてアカギレができた手を診たお医者様が、「アレルギーですね」と言ったら普通は納得できないと思います。
同様に手荒れ肌荒れをアレルギーと一緒にするのは私には抵抗があります。
ですから、肌荒れを先に治しておきたいのです。

「肌荒れ? 意味が判んない」という人も多いでしょう。

そこで、マラセチアの話が出てきます。
私の意見では、肌が荒れている一つの現われとして、マラセチアが皮膚で生育するのです。
もちろん肌荒れで起る事柄はマラセチアだけではないし、マラセチアも肌荒れのみが原因ではありません。
それでも肌荒れを解消してからマラセチアを排除すればマラセチアはそう簡単には再発しなくなります。


マラセチアについて考えて見ましょう。

マラセチアは、真菌の一種で菌糸を持たない酵母菌の仲間になります。
マラセチアは健康な皮膚にも常在しているとも言われ、数が少なければ何も悪さはしません。

しかし、増殖過多になるとマラセチアの代謝産物で皮膚がアレルギー様の変化を起こし赤く腫れてきます。細かいことを言うと、このときの皮膚の反応は実は自然免疫によるものなので、アレルギーとは少し違うのですが、見分けることはできません。また、あまり知られていないのですが、マラセチアが皮膚に存在すると他のアレルギーの診断は不可能になります。その話は、また他のところでしましょう。

抗真菌剤を使用すればうまくすれば数が減って症状が治まりますが、治療を止めるとじきに症状が再発してきます。

皮膚病学会では、マラセチアに病原性を認めるかどうかまだ定まっていませんが、マラセチア性皮膚炎とかマラセチア性外耳炎など、マラセチアが原因になっているという病名がつけられています。


ここで疑問です。
マラセチアが生育できる皮膚とできない皮膚には、どんな違いがあるのでしょうか?

答えは単純ではありませんがその答えの一つは皮脂バリアーです。



皮脂バリアーを再生する


私が肌荒れと呼んでいる一つにはこの皮脂バリアーの崩壊があげられます。
もちろんこれだけではないのですが、これも大きな理由の一つです。

皮膚には、皮脂膜と呼ばれる薄い油の膜が存在することが判っています。
また、セラミドという形で角質の間に存在して機能している皮脂もあります。
そしてその皮脂膜に含まれる油は抗菌効果を持つ油であることが必要です。

これらのどれかが満たされなくなっても肌荒れは起こります。

人のアトピーの研究で皮脂に含まれるリノール酸と皮膚にいる細菌数は反比例するという研究結果があります。少し拡大解釈するとリノール酸が抗菌効果を持つかもしれないということです。

これは、実践すると確かにその通りの反応が出てきます。
逆にリノール酸以外の油で皮脂膜を構成しようとすると、菌の増殖が抑えられないこともよく経験します。

よく、皮膚病治療でシャンプー療法が勧められますがシャンプー療法は、良い面と悪い面とを持ち合わせています。
というのも、シャンプーでは(特に抗菌効果の高いシャンプーでは)、皮膚表面にいるマラセチアや細菌を消毒してやっつけてくれ、菌の温床になっている落屑(フケ)などを取り除いてくれるので非常に良い効果が一時的に得られます。
しかし、同時に皮脂膜も洗い流して壊してしまうので、自力で治るすべも失わせていることになるので、長くその効果が続くことは期待できません。

もっとも、まだこの段階では、皮脂膜再生を助ける方法を説明していませんから、シャンプーをしてもしなくても皮脂膜は壊れたままになっていますのでシャンプーをしておくほうが賢明です。

しかし皮脂膜再生の方法を実践するようになったら、過度のシャンプーは、いずれ有害な作用が表面化してきます。ですから、その理由を知っておいたほうが良いでしょう。

皮脂膜を再生するには、少なくとも次の2つのことをクリアーしなければなりません。

一つは、リノール酸を与えること、もう一つは過酸化脂質を取り除くこと。




リノール酸を与える


まず、リノール酸を摂取することですが、栄養学の専門書にもドライのフードを与え続けると必須脂肪酸であるリノール酸が欠乏しやすいということが明記してあります。
それは、リノール酸が不飽和脂肪酸という酸化しやすい油であることが原因になっています。

また、リノール酸は常温で液体ですからドライのフードに添加するのは無理があります。

酸化を防ぐために強力な酸化防止剤を添加するメーカーもありますが、発癌性があるので、自分の飼っているワンちゃんには与えたくないものです。

ここは、無理せず台所にある調理用の食用油を利用するべきでしょう。

ただし、最近は循環器系の病気に気遣ったオレイン酸系の食用油が多いので、注意が必要です。

マラセチアの培地にオレイン酸を加えると、より増殖しやすくなることが知られています。
あたかも他の脂肪酸も同じようにマラセチアの培養促進につながるような印象を与えがちですが、そうではないようです。

リノール酸を含まない事で有名なオリーブ油のみを与えたワンちゃんの耳ではマラセチアが繁殖し、リノール酸とオレイン酸を含むサラダ油やゴマ油を使っているワンちゃんではマラセチアが耳垢からいなくなることから、マラセチアに好都合なのはオレイン酸だけのようです。

また、酸化度の高いフードを与えるとマラセチアが増えてくることから、酸化した脂質などもマラセチアを増殖させるようです。
マラセチア性の外耳炎を起こしているワンちゃんもフード類を一切止めて手作り食のみにすると大半のワンちゃんは、治ってしまいます。
実際にはマラセチアだけでなく、細菌も同じような様子を示すところから、感染症が見られる症例では特に脂質のコントロールに力を入れるべきでしょう。

よく、痒みを主症状とする患者様でオメガ3系、オメガ9系を重視している方々が居られますが、この段階での使用は控えて頂いた方が良いです。
これらの脂肪酸はプロスタグランジンやロイコロリエンの構成比の変化による痒みの軽減を図る「脂肪酸療法」という方法なのですが、皮脂バリアーの再生を飛び越えて先走ってもうまく効果は現れません。
マラセチアや細菌性の症状はかえって悪化してしまう事さえあります。過酸化脂質の除去が不完全な状況でオメガ3を使用しても、連鎖的脂質過酸化反応でオメガ3の脂質自体が過酸化脂質に変化してしまい、かえって痒み・炎症の原因になりかねません。

手順どおりに進めて行くことをお勧めします。



過酸化脂質の排除




次に過酸化脂質の排除ですが、次のグラフを見てください。


当院のゆかりのあるところが、ドライフードの酸化度および過酸化脂質含有量を測定した結果です。

A社、B社、C社はメジャー3社を選びました。
フードは検査所で開封して測定しています。
つまり一般家庭での開封前のフードの酸化度を表している事になります。

フード類が大量に過酸化脂質を運んできている事がわかります。
この過酸化脂質が皮脂バリアーに混入する事で皮脂膜が崩壊する事が予想されます。

フードが皮脂膜を崩壊させるという科学的なデータが出てくるまでには、まだまだ長い長い道のりがあることは容易に想像がつきます。
研究費の支出に大きな権限を持っているフードメーカーが自らの首を絞めるような研究に資金を投入する事は決してありませんから、このような裏付けは永遠に出てこないかも知れません。
しかし飼い主様にとってこのデータの裏付けが取れるまで待っている時間的な余裕などありません。自衛的な手段としてフードを止めるのが一番の近道です。

フードのほかに、犬用のおやつ、歯磨きガム、ジャーキー、チュアブルタイプのフィラリア予防薬も同じくらい過酸化物を持っています。

また人用の食べ物の中にも過酸化脂質を持つものがあり、やはり注意が必要です。
現在、当院で把握しているのは、煮干、炒り子、干物類など、魚の干し物系はすべて注意が必要なようです。

以上の事柄を徹底して実践する事で皮脂バリアーがある程度復活してきます。

セロテープによる検査で細菌類、マラセチアがほとんど観察できなくなることで、これを確かめることが出来ます。

新たに入ってくる過酸化脂質を阻止する方法は解かっていただけたと思います。

では、すでに身体に取り込まれてしまった過酸化脂質はどの様に排除すれば良いでしょうか?

とりあえず簡単な方法として浮かぶのは、ビタミンE、ビタミンC、CoQ10(コエンザイムキューテン)です。どれも薬局で簡単に手に入るものばかりです。
最近は犬用のものも用意されているので利用されると良いでしょう。ただ、必ずしも犬用のものを考える必要はありません。
人用のものを体重割で計算して与えれば十分です。
ビタミンC、E、CoQ10は単一で与えるより、合わせて使うほうがより効果的なので、できれば全てを同時期に与えるのが良いでしょう。


過酸化脂質の問題が解決したら、次は添加物です。



添加物を取り除く



添加物が皮膚に症状を出す事は、日本の皮膚科領域ではほとんど語られる事がありません。
しかし海外の著書の翻訳本を読んでいると、添加物がアレルギーを引き起こすメカニズムが解説してあります。
経験的には、アレルギー反応と言うより、化学物質が直接に引き起こす薬害に近い気がします。

私は自分自身がこの体質を持っています。
私は菜っ葉や大根にアレルギーなど持っていませんが、漬物を食べると30分〜1時間後に耳の辺りがかゆくなり、目の周りが腫れてきます。
目が猛烈にかゆくなり結膜の部分が浮腫を起こして目がボコボコになってしまいます。
2〜3時間後には治まるのですが、タイミングが悪いと仕事は出来なくなります。
おそらく保存料の問題でしょうがこれも医学的根拠が明確にされるのを待っているわけにはいきません。
かゆみを少しでも減らそうと考えるなら、保存料・添加物は避けられるだけ避けるのが良さそうです。
フードを止めただけでかゆみが無くなるワンちゃんの中にはこのような体質の子がいると思われます。特にフレンチブルドッグ、ボストンテリアはこの体質を持っているワンちゃんが多いようです。

ときどき、人の食べ物の方が添加物が多いように言われますが、あながち間違いでもないところがあるようですが、少なくともワンちゃんのかゆみの解決のために、その部分を議論しても無駄な気がします。
フードには、大量の保存料、防腐剤などが使われていることに変わりは無いからです。
フードにカビが生えなかったり、虫が湧かないのはそれらの薬のお陰なのですから。


フードにはこれら以外にも問題のある物質が混入してきますから、それも排除するべきでしょう。




フードの中の有害物質を排除する



ひところカビの生えたお米が流通して問題になったことがあります。
カビの生えたお米は事故米として扱われ、人の食用にする事は許されていません。
許されない理由は、カビ毒たとえばアフラトキシンのような肝癌を引き起こすような物質が含まれ、この物質が熱処理や化学処理を行ってもその毒性が消滅しないためです。

この事故米は「通常ドッグフードに回されます」と記者会見で当事者が語っておられましたので、聞いたことのある人もいることでしょう。

はたしてこのカビ毒、ワンちゃんには害が無いのでしょうか?
 残念ながら有害です。
お米に生えるカビの毒素は腎毒性のあるものや、神経毒性のあるものもあり、かなり厄介です。

お米が専売制になった理由もこれらの品質管理を国が行う必要があったからです。
国が有害と認定したものがワンちゃんのご飯になってくるわけですから、身体に異常が出てきたらとりあえずフードはお休みしたほうが良いと思います。

必ずこれが原因になっているというわけではありませんが、この先に、高額な検査や治療が待っている事を考えると、お金の掛からないところは、ガッチリ抑えておくべきかと思います。


すこし外れてしまいましたが、添加物に話を戻します。


栄養を取り戻す



添加物の中には、身体の中の栄養素を壊したり無駄に排出したりするものがあります。

有名どころも数多くあるのですが、ここは経験的なところに焦点を絞ります。

犬用おやつ、ジャーキー、歯磨きガム、半生タイプのフード、チュアブルタイプのフィラリア薬の中には、ビタミンAを壊したり、亜鉛を排出したりする作用を持つ添加物が使われているものがあるようです。

セロテープ検査で評価すると角質の造りが壊れていて、どんなにビタミンAや亜鉛を補給しても改善出来ない事があります。

しかし、これらの食物をお休みすると、とたんに治ってしまいます。
これらのものを使っていて、顎の下や肘の屈側、耳、目の周り、口角などに問題を抱えているなら、すぐに使用を中止して、亜鉛とビタミンAの豊富なうなぎやレバーを与えると良いでしょう。
ただし、うなぎもレバーもお腹を壊しやすいので、少しずつ慣らしながら与えるようにして下さい。

人用の食べ物の中にも有害な作用のものが、添加されていることがあります。
当院で把握しているものは、ボーロ。いわゆるタマゴボーロとかベビーボーロとして流通しているものです。
ベビーボーロなどは、赤ちゃんに与えるものですから、そんなものに混入しているとは驚きです。

いずれにしろ避けて通るしかありません。与えないでおきましょう。

ここまでの過程ですでにおおむね改善しているワンちゃんもいるはずです。


多くのワンちゃんは皮膚病があるだけで、アトピーやアレルギーと診断される事が多いのですが、ここまでの段階で既に治ってしまったワンちゃんは、少なくともアトピーでもアレルギーでもありません。

アレルギーの診断をするにはまだまだ超えなければならない難関があります。
アトピーの診断にはまだまだ議論があり、何処までをアトピーとするかは、年毎に変化しています。

医学はまだまだ未熟で不完全です。
それでも患者様は熟成するのを待っているわけにはいきません。
ステロイド地獄から抜け出すには、私のように理詰めで治る方向性を決めていくか、東洋医学や代替療法にすがるしかないのです。

このため人の皮膚病の世界では民間療法が発達し、人間のアトピーではアトピービジネス(アトピー患者の弱みに付け込む詐欺商法)が横行するようになっています。
アトピービジネスは、治る方向を正しく伝えるものがほとんどありません。
しかし、病院で正しく治る方向を示せないために患者様が自ら悪戦苦闘をしておられるのです。

正しい治療の道のりが示せない理由の一つに、多くの企業の利害が関係している事は間違いありません。

飼い主様にはワンちゃんの治療のためには何をするべきかをよく考えていただきたいと思います。
しかし、飼い主様自身が生活できなくなるほどに頑張る事はあまりお勧めできません。
ここまで書いてきた事をヒントに近道を見つけていただけたら、それが一番良い事だと思います。


さて、ここまでで、まだ皮膚の状況が変わらないのであれば、次のステップに進んでいかなければいけません。 この先は、いろいろと検査の費用がかかってきます。




<戻る   次へ>




犬のページへ戻る

トップページへもどる

直線上に配置