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肥満細胞腫
その4

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てんかんのあるワンちゃんの栄養



これまで読んできていただいたように、てんかんを持つワンちゃんには、フードで与えられる栄養とは違う栄養素が必要であることがお分かり頂けたでしょうか?
おそらく、殆どの方は、てんかんのあるワンちゃんに、フード以外のものを与える必要があるとは、考えもしなかったことだと思います。
中には、フード以外のものを与えることに、非常に抵抗感のある方も多いかと思います。

フードの欠点に、ことさら焦点を当てるのは、このページの趣旨ではないので避けておきます。
しかし、フード以外のものを抵抗無く与えていただく為に、せめて食餌の内容について、もう一度考え直していただきたいと思いますので、ぜひ一度、「食餌について」のページを読んでおいていただきたいと思います。

さて、フード以外の栄養を与えるための、心の準備が整ったら、早速与え方について、お話していきましょう。

基本的に、今までフード以外の食べ物を殆ど与えたことの無かった場合には、一番注意しなければならない事は、まず、急激な変化を避けることです。

あせって急激に変化させると、下痢や嘔吐を引き起こし、かえってストレスになるかもしれません。
ワンちゃんの身体は、殆どの場合、食べつけないものに対しては、準備期間を必要としていますから、突然食餌を変更してしまうことは避けたほうが賢明です。

食餌の内容の変更に失敗してしまうと、せっかくのチャンスを逃してしまう事にもなりかねません。
あせらずゆっくり変化させてみてください。

まず最初にしておきたい変化は、なんと言っても糖質の補給でしょう。
糖質さえ十分に蓄える事が出来ていれば、いざと言う時にも生き延びることが可能になるのですから。

具体的に何から始めればよいかと言うと、焼き芋を与えることから始めてはいかがでしょうか。
焼き芋はたくさん糖質を持っているのと同時に、非常に繊維質が多いので、お腹の調子を整えてくれます。

そして、同時期ぐらいに、アイスクリームを与え始めると良いでしょう。
アイスクリームの量は、前足の肉球くらいの大きさを一日に2〜3回ぐらいが良いでしょう。
冷たいままでも良いのですが、お腹の調子のことを考えると、溶かしてから与えるほうが無難です。

これらの物は、今まで与えてきた食餌の上にトッピングする形で与えるか、別のお皿で食事の前に与えてしまうのが良いでしょう。このような物に慣れてきたら、お米やあんこやカスタードクリームも利用していくと良いでしょう。

肥満のことを心配される方は、主食のフードの方を少し減らすように心がけて下さい。

この方法で、2〜3日安定した状況が続いたら、新鮮な脂肪分の補給を始めてよいと思います。
与えたい脂肪分は、サラダ油(リノール酸)、オリーブ油(オレイン酸)、魚の脂(EPA、DHA)等ですが、どれも、体重1kg当たり1滴ずつを与えると良いでしょう。

ものの本には、体重10kg当たりスプーン一杯と書かれているのですが、初めからその量を与えるのは、お勧めできません。
なぜなら、一週間後ぐらいにお腹をゆるくし始める症例が多いからです。 これらの栄養素は、急にたくさん与えるのではなく、毎日新鮮なものを少しずつコツコツと与えていくのがベストです。

注意点ですが、最近流行のエコナオイルは避けてください。エコナオイルは、オイルとしてのメカニズムが全く違いますので、この中でお話している油とは相性が悪く、かえって具合を悪くする可能性があります。

さて、脂肪分の補給が出来るようになったら、マグネシウムの補給に入るのですが、場合によってはすでに、魚の油と一緒に魚自身を与えておられる場合も有るでしょう。
マグネシウムは、魚介類や、海藻類に豊富に含まれており、またにがりの主成分でもあります。これらのうちの、どれから取らせるかは、飼い主さんの選択になります。

病院ではもっぱらマグネシウム剤を使っていますが、それに一番近いのは、にがりでしょう。
にがりは、人間が使用する際の方法と同じですが、体重が小さいので、体重当たりを計算をして与えればよいでしょう。

計算が苦手な方は、お魚や海藻で自然に摂らせる方法を選ぶ方が良いでしょう。
魚を与える際には、骨は取り除いて与えてください。骨に含まれるカルシウムはマグネシウムの吸収の邪魔をすることがあります。


このようにして、いろいろな栄養を与えるようになれば、殆どのワンちゃんは、発作の程度が軽くなっていきます。

フード以外の物を食べさせるようになると、急激にフードを食べなくなるワンちゃんが居ます。

個人的に、私はてんかんを持つワンちゃんにフードを与える必要は無いと考えています。
ですから、もし「フードを食べなくなってしまったんですがどうしましょう」という相談をされたとしても、「それは良かったですね」と答えるようにしています。

もはや、フードを食べなければならない理由は何も無いのです。


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