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肥満細胞腫
その5

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いろいろと、今まで馴染みの無かったであろうことを書いてきましたが、最後にてんかんの時に使われる一般的な薬の話を書いておきます。



てんかん


てんかん(特発性てんかん)とは、痙攣発作のうち、特別な原因が特定できないものの総称です。


特別な原因が見つかるかどうかは、最初に検査をしておかなければいけません。

特別な原因が見つかるものは、ここでは、話題からはずしてあります。
なかには、詳しく調べることによって、原因が判明することもあるかも知れませんが、今現在、原因不明であれば、特発性てんかんと考えておいて下さい。

後から、特別な原因が分かったとしても、これまで出てきた話題で、なんら不都合を生じることはありません。

てんかんでは、いわゆる痙攣発作が起こるのですが、世話をする人にとって気がかりなのは、その回数(頻度)や、程度(持続時間、強直の度合い)、後遺症、将来的な不安などです。

また、治療に関しては、薬の効果がどれ程期待できるのかとか、薬の副作用がどれ程出てくるのかなどが気になるところです。

治療に使う薬が、良い効果もたらし、副作用が少なければ、これらの問題は、解決します。

はたしてそのような方法があるのでしょうか? てんかんの治療は、その時の発作が初めてであれば、一般的には治療は行われません。
原因を探すための、様々な検査が行われ、特別な原因が無いかを、調べます。

発作が2回目以降であれば、投薬治療を始めます。




てんかんの治療に使用される薬


フェノバルビタール



現在てんかんの治療薬として、もっともよく使用されている薬は、フェノバルビタールです。

この薬は、良く効く反面、肝障害、過食、ふらつき、嗜眠などの副作用を持ち、特に長期にわたる治療においては、肝障害が深刻な問題になります。

フェノバルビタールを与える量が少なければ副作用がでる可能性は低くなりますが、当然効果も落ちてしまいます。

そこで最近注目されているのが、臭化カリウムです。



臭化カリウム


臭化カリウムは人間のてんかん治療薬として、100年以上も前から使用されてきた薬です。

しかし、人間の方ではあまり効果が出ないということで、すっかり使われなくなり、製造も中止されるようになってきました。

そのような臭化カリウムですが、実は犬に対しては非常に良い効果をもたらしてくれることが、明らかになりました。

それは、フェノバルビタールと併用すると、フェノバルビタールの使用量をうんと減らすことができるので、その副作用を押さえることができるのです。

さらに、軽い症状であれば、臭化カリウム単独でも、発作を押さえることができるので、その利用価値はますます広がっています。

しかし、中には臭化カリウム、フェノバルビタールを併用しても、さらには、ジアゼパムという薬を使用しても、発作がとまらない、難治性のてんかんというものがあります。

難治性のてんかん発作は現在のところ、その治療法が確立されておらず、多くの場合に発作の重積から命を落とすか、薬の副作用で肝不全に陥り亡くなってしまいます。




プリミドン(マイソリン)


フェノバルビタールと同じグループの薬です。

体内に入ってから代謝されてフェノバルビタールに変わります。作用も副作用もフェノバルビタールと同じです。



フェニトイン



臭化カリウムが取り上げられる前に、一時期注目された時期がありますが、私個人の考えでは、あまり良い効果が期待できません。
副作用は、フェノバルビタールと同じくらいと考えられます。




ジアゼパム(ニトラゼパム、クロナゼパムも同じです)



発作の薬の中でも、比較的重要な役割を果たす薬です。
とは言っても、持続的な管理に使う薬ではなく、短時間のうちに効果を表し、短時間のうちに体内から排出される薬です。
従って、今、発作が起こっているというときに、とても役に立つ薬ですが、翌日には効果が切れています。てんかんのあるワンちゃんを管理する上では、いざという時のために、頓服として手元に置いておきたい薬です。





一般的にはてんかんの治療に使われていない薬



マグネシウム剤


私共の病院では、てんかんの症例に対し、マグネシウム剤を使用しています。
マグネシウム剤は、もともと鎮痙剤として使用され、いわゆるテタニー症状の治療薬として使われてきました。
また、下剤としてもよく使用されている薬で、特に目立った副作用は有りません。
その薬を、てんかんの治療に加える事によって、驚く程その症状が改善され、それまでの薬が良く効くようになる事がしばしばあります。
場合によっては、マグネシウム剤だけの使用で発作がなくなり、他の薬を使わずに治っていくこともあります。



EPA(エイコサペンタエン酸)製剤



EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)は、かねてから頭が良くなる脂肪酸として注目されています。
このEPA製剤をてんかん発作の治療薬として使用すると、他の薬の使用量を減らすことができる事があります。
中には、発作がとまることもあります。
マグネシウムもEPAも、栄養成分ですから、研究が進めば、低血糖やビタミンB1不足、低カルシウムのテタニーなどのように、てんかん発作の原因の一つに分類されるかも知れませんが、今はまだ、原因不明の特発性てんかんとして治療をします。




最後に・・・


これまで書いてきたような内容は、おそらく今まで治療を受けてきて、聞いたことも、あるいは考えたことも無かったのではないでしょうか?

フードさえ与えていれば健康でいられると、盲目的に信じていたかもしれませんが、その結果として今の状態があるのだとは思いませんか?
とすれば、今のままを続ければ、今の状態からは抜けられません。

はなからワンちゃんが病気であるとは決め付けずに、もしかするとフードのせいで調子が悪くなったのではないかと疑ってみてはいかがでしょうか。


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