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外耳炎について

その2

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外耳炎:私の見方

外耳炎のワンちゃんで、まず最初に見るべきところは、前足の指の間です。
指の間といっても、手のひら側(肉球の間)と手の甲側(指間)とがあります。

どちらにも、外耳炎と密接に関係するヒントが隠されています。

左の写真は、肉球の間を見ているところです。
かなり赤くなっているのがお分かりいただけるでしょうか?

通常、この肉球間が、少しでも赤くなっていて、耳が外耳炎になっていれば、殆どのケースでアトピーの診断基準を満たしていることになります。

また、マラセチアという酵母菌が検出された場合は、マラセチア性の指間皮膚炎という事になり、外耳炎とは関係の無い偶然の出来事のように診断されます。

また、手の甲側の指の間が、左の写真のように腫れている事があります。
あるいは、もう少し症状が軽い場合は、少し赤かったり、カサブタが付いているだけの事もあります。

この出来事は、通常、指間膿皮症として外耳炎とは関係なく起こった出来事として診断されます

この場合も見方によっては、アトピーの診断基準を満たしているケースが多いでしょう。
つまりこの段階で、一般的には、アトピーと診断される為、本当にアトピーでなかった場合

  アトピー ───>アレルギー検査───>薬物療法───>完治しない

という事になってしまいます。

これでは、解決する事が出来なくなってしまいますから、これを解決するには、新たな方法を見つけ出さねばならないわけです。

幸い、皮膚病の専門書や、栄養学の専門書には、この指間皮膚炎という症状を起こす病気に関して、いくつかの栄養障害が紹介されています。

紹介していますと言うほど、大きな項目として扱われていませんが、はっきりと記載してあります。

この、肉球の間に皮膚炎を起こす栄養障害とは、必須脂肪酸の欠乏症と亜鉛欠乏症です。

ところが、ここにもう一つ大きな問題があります。

一般的に、ドッグフードを与えていれば、栄養障害は起らないと信じられており、この誤解を解かなければ治療が前に進まないのです。

また必須脂肪酸欠乏症と亜鉛の欠乏症は、現代医学で求められる検査的な数値が得られません。

症状から原因を予測して治療を行いその反応をみて診断に至るという、前時代的な手法でしか結果が得られません。

非常に原始的な方法ですが、臨床症状の観察方法さえ十分に行うことが出来れば、大多数のワンちゃんたちは この方法で治す事が出来ますが、よほど経験と自信がなければ飼い主様を納得させるのは難しいようです。

では、なぜこれらの栄養素は欠乏するのでしょうか?

必須脂肪酸について言えば答えは簡単、脂質の劣化です。
フードの中の脂肪酸が酸化して役に立たなくなったのが原因です。
原因は単純なのですが、対処はなかなか厄介です。

劣化によって生じた過酸化脂質は、より問題を深くし根深くしてしまいます。
足りなくなった、良質の脂肪酸を足しても、過酸化脂質が存在すると、連鎖的脂質過酸化反応によって、次々と酸化してしまい、思ったように補給が出来なくなるからです。

問題の解決には、すでに摂取してしまった過酸化脂質の除去と、新たに入ってくる過酸化物の除去が必要になります。
つまり、ビタミンEやビタミンCなどを補給するのと同時に、フードを止めなければ十分な結果は得られないと言う事です。

これに対して亜鉛の欠乏の主な理由は、フードそのものではなく、おやつにあります。
おやつの中には保存料や添加物を使用しているものがあり、その保存料や添加物の中には亜鉛とビタミンAを損なうものがあるようで、おやつを食べている間、症状が一向に改善せず、止めたとたんに完治する例が後を絶ちません。

どのおやつにそのような保存料が使われていて、どのものには使われていないかは、見分ける事ができません。
皮膚病や耳の治療の間は、おやつは休んでいただくのが良いようです。

皮肉な事に、チュアブルタイプのフィラリア予防薬や歯磨きガムもこれに準じているため、フィラリア予防薬は錠剤タイプのものに変えていただき、歯磨きはガーゼで行って頂く必要があります。

中には少しくらいなら大丈夫だろうと高をくくっている方もおられるかもしれませんが、週一回のガムで症状が持続した例や、チュアブルのフィラリア予防薬で皮膚病が悪化し改善に3週間かかった例もあります。

本気で原因を除去したいなら、しばらくおやつはお休みして頂いた方が良いでしょう。

その他で家庭でも出来ることは、栄養補給です。
では、どの様にして栄養補給をしてゆけばよいかを、紹介していきましょう。