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気管虚脱とタンパク不足 Tracheal Collapse vs. Protein Deficiency

すこし、順番が前後するのですが、AAFCO基準を満たしているフードで起こっている深刻な病気のお話をしなければなりません。

 

それは気管虚脱です。

 

気管虚脱の説明は後回しにします。なぜなら、この記事を本当に読まなければならない人には、時間がないからです。

 

何とか間に合えばよいのですが、お知らせします。気管虚脱は、内科で治しましょう。

 

肥満がどうの、気温がどうの、湿度がどうのという話ではありません。

 

気管虚脱の根底にある問題は、タンパク不足です。

タンパク不足が招いたコラーゲンの生合成の不足によって気管がその形を保てなくなっています。

 

治療法は単純、フードの上にお肉をトッピングしながらコラーゲンのサプリを与えます。

更にコラーゲンの生合成を高めるためには、いくつかのビタミンミネラルも必要ですが、それはご連絡をいただいたときにでもご説明しましょう。

コラーゲンを摂取しても、分解されて機能しないと反論する方もおられるでしょうが、後日、他のところで議論しましょう。

 

このような治療方法を実践していますので、わたしの診療した気管虚脱の症例でこの10年以上の間に死亡した症例は有りません。私の中では、過去の病気で、いまどき気管虚脱で死亡するなんて・・・、と考えていたのですが、何人かの方からそうではないことを指摘されたので、あわててこの記事を書いている次第です。

 

外科的な治療もいろいろ研究されていますが、まだまだリスクも高くすべての症例でうまくいくわけではないようです。かつては、術後の平均余命は4カ月と言われていました。

また外科医の力量にも左右されます。

 

それに比べると、タンパクの供給とコラーゲンを与えるくらいなら今すぐにでも家で出来るでしょうし、動物に何のリスクも与えません。

ただし、このとき間違っても軟骨成分、グルコサミン・コンドロイチンを優先させてはいけません。それらはかえって咳が増し呼吸が苦しくなります。

また、その注射薬剤では死亡例も有るからです。

もし、気管虚脱と診断されているなら、今すぐタンパクとコラーゲンの供給を試してみてほしいものです。