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食事療法と栄養療法 ー似て非なるものー

私は、よく栄養療法という手法を用いて治療を行います。

栄養療法はしばしば食事療法と混同されて、食事で何とかならないでしょうかと質問をされます。 また、日ごろ食事で口にするような栄養で治療をしていることから、サプリメントばかり飲まされて、何をしているんだと非難をされることもしばしばです。

栄養療法は聞いたことが有るようで、あまり知られていない治療法で理解して実践している方は少ないと思います。

ですから、食事療法と栄養療法の違いを明確に説明できる人は、ほとんどいないでしょう。

食事療法と栄養療法は境界が不明瞭であることから、しばしば同じものだと誤解されています。

簡単に説明するならば、食事療法とは、食事の改善で日々摂取する栄養を変更することで達成できる治療法です。

場合によっては、食事で摂っている有害なものを除去する目的もあります。

 

一方、栄養療法は普通の食事に含まれている栄養素ではあるけれど、その栄養素をたくさん摂ることによっておこる体の変化を利用して治療を行います。それは、普通の食事ではとることが出ないような量を使用するだけで、大きな治療効果を達成することができます。

このような栄養素は目標の量だけ取るためには尋常ではない量の食事量になってしまうので、栄養剤(サプリ)を利用しなければなりません。

これら栄養療法と食事療法を組み合わせた治療法が、分子整合栄養療法やオーソモリキュラーという治療法、あるいは治療の考え方になります。

 

これら栄養療法は、もともと体内に取り込むこともなかった物質を使用する薬物療法とは一線を画するものとして一部の医療者たちに愛好されています。

一般的には難病と思われている病態が、栄養療法で改善することもたびたび見られ栄養療法でしか改善できないような病気も数多くあります。

例を挙げてみてみましょう。

次に出てくる写真は、ワンちゃんの指の間によくできる、指間膿瘍、あるいは指間膿皮症と呼ばれるものです。

interdigitalcyst-before

interdigital cyst 2

 

結節を作って、時には破れて血膿を出し、痛がるようなこともあります。しかし、抗生物質はほとんど効果を表さず、外科的に切除しても繰り返しいろいろな指の間に再発してきます。

これを、栄養療法で治療すると、下の写真のように案外簡単に治ってしまいます。

 

interdigital cyst after

 

あまりにも簡単に治るので、簡単な病気と誤解されることも多いのですが、栄養療法を熟知していなければ、そう簡単にはいきません。

このような事例は、症例報告として発表するのも良いのでしょうが、何かの偶然だろう、ぐらいに言われて、皆が苦労をしているものを、人と違った方法でそんな簡単に解決できるわけがないと、相手にしてもらえないのが関の山です

なぜなら、今の世の中、ドッグフードさえ与えていれば、栄養は万全と思われがちですが、その中に含まれているはずの栄養素で、このような治療が達成できるわけですから、多くの方々にとっては意味の分からないことなのかもしれませんね。